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スタッフブログ

職人を育てる

2021.02.02

ちねり職人

KANUMAISMの取り組みをはじめてはや1年になります。今年度はコロナに翻弄された年になりましたが、ここにきてようやく野州麻紙工房 大森さんのお香成型作業を本格的にスタートさせることができました。

大森さんが仕込んでくださった生地をキロ単位でお預かりし、ひとつひとつ手作業で円錐形にカタチ作っていきます。私はこの作業を「ちねり」と名付けました。「ちねり」と聞いてピンとくる方もいらっしゃるかと思います。テレビ朝日で放送されていた「いきなり!黄金伝説。」の中のコーナー「無人島0円生活」でよゐこの濱口さんが「どうしてもお米が食べたい!!」と小麦粉を練った生地を何時間もかけて米粒の形にしていくという…アレです。

グラム合わせをした生地をちねっていく作業ですが、ちからのかけ具合が絶妙なんです。この「感覚的」なちから加減は言葉で表現することが難しく、特に利用者の方にどうやって伝えよう…かと悩みます。利用者の方の指をつまみ「これくらいのちからでやってみよう」とか、「豆腐をさわるように」とか伝えてみますが「豆腐さわったことありませーん」なんて漫才みたいな言葉がかえってきたり…そこでジグを作ります。

透明なシートの上に10円玉の大きさの〇を書き、お香の土台がこの大きさになるように意識してもらうことでだいたい同じ大きさに成型することができるようになります。しかし、お山の高さを意識することが難しいため低い山・高い山と差ができてしまいます。

そこで次は高さを意識してもらうために、横から観察してもらいます。回転させながら全体の形を整え、数をこなしていくうちだいたい同じ大きさ・高さに成型することができるようになっていきます。

 

「できた!!」という成功体験。

「唯一無二」二つとして同じカタチがない。つくるメンバーやその時の気持ちでもカタチが違う…

まさに大量生産ではだせない価値がうみだされる瞬間です。

たくさんのちねり職人が育ちますように…